SCDM2019 Annual Conference 学会報告
2019年 9月 29日（日）～ 10月 2日（水）にアメリカ・メリーランド州・ボルティモアで開催された Society for Clinical Data Management (SCDM) 2019 Annual Conference に，山口 拓洋 教授，非常勤講師の益子友恵先生・宮路天平先生、臨床試験データセンター特任講師の高田宗典先生、博士課程４年の八重樫寛子、博士課程３年の近藤秀宣・山田 修の７名が参加しました。
※日本からは20名弱ほどが参加しました
SCDM Annual Conferenceは、年に１度アメリカで開催されるデータサイエンスを中心とした国際学会であり、今回で25回目の開催となります。今年は300以上の組織から800人を超える参加があり，口演では AI，Data Quality，eSource，Niche，RBM，CDM Career Skills，Virtual Trials 等のトピックで70演題程度，ポスター発表では8演題の発表がありました。
昨年のSCDM Annual Conferenceで講演のトピックとして入っていなかった AIやeSource、Virtual trials がトピックとして入り、15演題も占めていたことから、DMや臨床試験の環境が急速に変化してきていることを目の当たりにしました。また、今年のAnnual Conferenceの10日ほど前に、SCDMより新しい Reflection paper が発行され、その中でもこれらトピックは扱われており、いつくかの演題で引用がなされていたことから、これらの波をより一層感じました。Conferenceの内容としては概念的な発表や抽象的な How to の発表が多く、実例を紹介した発表はあまりなかった印象でした。また eSourceにおいては、Direct data capture（DDC）よりePROやEHRの話が主流で、日本の昨今のトレンドとの違いを感じました。
※The Evolution of Clinical Data Management to Clinical Data Science: A Reflection Paper on the impact of the Clinical Research industry trends on Clinical Data Managementで用いられている図の引用
当分野からは口演として2演題、ポスターとして4演題の発表を行いました。ポスター発表では1位～3位までポスター賞が設けられており、第2位のポスター賞として、当分野 博士課程２年である 山田 修 の演題が選出されました。
■ 口 演 ■
◎ 益子 友恵 先生：
Implementation of 100% Virtual Trials design using eConsent and BYOD type of ePRO in Phycho-Oncology trial
◎ 宮路 天平 先生：
Data Integrity of eSource and System integration of ePRO and Wearable Devices
■ ポスター ■
◎ 近藤 秀宣：
Advantage of the Decision of Quality Objectives Required by QMS After Risk Identification / Evaluation
◎ 高田 宗典 先生：
Evaluation of ECRIN Requirements in ISO 9001 QMS Certification for Clinical Data Center
◎ 山田 修：
The Effectiveness of Remote Risk-Based Monitoring Compared to On-Site Monitoring with 100% SDV
◎ 八重樫 寛子：
Survey on Understanding and Perception of eConsent among Clinical Trialists in Japan
また，山口 拓洋 教授 のもと，SCDM日本支部を立ち上げ，来年から本格的に日本での活動が開始されるということで，SCDMの本部メンバーと日本支部メンバーで活動方針等の打ち合わせが行われました。（早速本学会中にSCDM Japan nightとして日本からの参加者が参集して懇親会を行いました。写真を撮り忘れてしまって残念…。）
今年度のDIA CDM Workshop (2020.2.5-6)、日本臨床試験学会学術総会（2020.2.14-15）において、SCDMのブース出展が予定されていたり、GCDMPのChief EditorであるMeredith Zozus先生がDIA CDMにて今年度発表される予定であるなど、日本での活動も本格化してきていると思います。
来年の SCDM2020 Annual Conference は、2020年9月13日～16日にアメリカ・テキサス州・サンアントニオで開催される予定です。当分野から来年も参加し，日米のSCDMを盛り上げていきたいと思います！
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